「にこっ」の想い出
Photo by Jessica Delp on Unsplash
20年以上も前に数年間お世話になった師がいた。
とても印象深い方で、賢く、人間味が厚く、芯が通っていて多くの人たちに愛された。
その方が亡くなられたとの突然の訃報でご葬儀に参加してきた。
本当に多くの方が参列されて、師の人徳の深さを改めて実感
途中、留学を挟んだこともあり、どちらにおられるのかわからなかったが、
昨年暮れに東京に戻られていたとのこと。
昨年夏ごろから教えていただいた内容に関連した話題をよく見聞きし
その師を思い出していたのが不思議な感じ
想い出はいろいろあるのだが、ふっと思い出したことがあった。
もう20年以上の前のこと、とてもショックな出来事があり私は泣いていた。
そんなとき、ビルの出口でその師と偶然出会って目があった。
私はちょっとびっくりしてその師の顔を見つめた。その方も私の表情をしばらく見ていた。
すると、何も言わずに、「にこっ」とほほ笑みかけて下さり
そのまま中に入っていかれた。
なんだか、わかってもらえた気がして心がほっとしたのだ。
泣き顔の人を見て自然な笑顔でほほ笑みかけることは、
簡単にできるようで、なかなか難しい。
今の私くらいの年だったが、私にはできないと思う。
あたたかい人だったなあ
葬儀では、師の所属先の一番偉い人が鳴き声になり、これ以上は話せないとそうそうとお話しを切り上げたのだが、
本当に神様は突然に思いもよらないことをなさるときがある。
その師が残してくれた、「にこ」ができるようになろうと思う。
コメント