うつ病のためのメタ認知トレーニング(D-MCT)を通して



2015年から私のスーパーバイザーと、ドイツからのプログラム・D-MCTを一緒に訳して、リワーク参加者に提供してきたが、ようやく一連の作業がひと段落つきそうだ。

7月末にある日本うつ病学会で日本語版出版の発表するために、ポスターを製作中。背景にはキーワード「人工衛星から眺める」写真を使う予定(上の写真はISS:インターナショナルスペース・ステーションの無料写真素材)。

製作しながら、人工衛星から眺めるように自分のことを見るんですよね…と自己に言い聞かせるように話してくれたメンバーさんたちの顔が浮かぶ。

病気療養が長引く人たちも多くいらしたが、それぞれ皆一所懸命。もがくときもあり、落ち込むときもあり、そして良くなっていく過程もあり…。

そんなとき、D-MCTのセッションに参加して最初の人工衛星の絵のアニメ画が毎回繰り返し出てきて「自分の考えを人工衛星から見るように、客観的に見て下さい」と聞かされるわけだが、それを手掛かりにして、自己の考え方を遠くから見ようと態度を変えようと努力される方も多い。

上のISSの写真をどう配置しようか、加工しようかと汗をかきながら、感想を言ってくれたメンバーさんたちの顔を思い出していた。

良くなって卒業した方、まだ療養中の方とそれぞれだが、彼らが真摯に感想を言ってくれた顔を思い出しながら、そんな思い出を持てる私は幸せだなぁと本当に思う。

セラピストという職業になって、人間の面白さを感じることができるようになったと思う。

それは、ひとりひとりのメンバーさんが私に教えてくれたものだ。状態の悪いときもある、あまり係り合いにならないことも多くある。だが、こちらに気持ちを分けてくれるときも沢山ある。回復してきて、うつ症状が消滅してくると「こんなに素敵な人だったんだ」と驚くこともある。

そうやって生物としての生命力、活動力が素晴らしいし、興味深い。人間ってすごいと思う。

人間は生ものだから、いいときも悪いときもある。

そんなことを言葉では言っていたが、実感できるのはリワークやデイケアで出会ったメンバーさんたちと触れ合ったからだ。

今の仕事で、もしD-MCTが提供できるなら、まったく設定が違ってしまうだろう。以前のように思う存分提供できる時間的余裕はないかもしれない。

それならば自分でそんな機会を作ってしまおうか

いろいろと考えるが、徐々に生活がワサワサと忙しくなってきているので、心のどこかで今は計画をあたためておくことにしよう。

人工衛星から、新しい職場にいる自分と、D-MCTを実施する計画を抱えた自分をしばらく客観的に眺めていることにしよう。

改めて、上のISSから見る地球は美しいなぁ…




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